【福岡市で腰痛の方へ】腰痛なのに「首」や「足首」も弱っていませんか? 研究が解き明かす「中枢性感作(CS)」の恐るべき影響

  • 「慢性的な腰痛が、何をしても治らない…」
  • 「腰が痛いだけじゃなく、最近なぜか首も疲れやすい」
  • 「ふくらはぎや足首に力が入らない時がある」

福岡市にお住まいで、このようなお悩みを抱えていませんか?

腰痛は世界中で非常に深刻な健康問題の一つです 。しかし、その治療はしばしば困難を極めます

もし、あなたの腰痛がなかなか改善しないのであれば、その原因は「腰」そのものだけでなく、あなたの「中枢神経系(脳と脊髄)」の過敏化にあるかもしれません。

今回は、慢性腰痛(CLBP)が、いかにして遠く離れた「首」や「足首」の筋力にまで影響を及ぼすのか、という衝撃的な研究(※)をご紹介します。

(※ 参考文献: Aoyagi K, Sharma NK. Correlation Between Central Sensitization and Remote Muscle Performance in Individuals With Chronic Low Back Pain. J Manipulative Physiol Ther 2021;44;14-24.)


神経のアラームが鳴り止まない状態

「中枢性感作(CS)」とは?

通常、痛みは怪我をした場所からの「危険信号」です。しかし、この信号が長期間続くと、中枢神経系(脳)がその信号を処理する方法を変えてしまうことがあります

これが「中枢性感作(Central Sensitization: CS)」と呼ばれる状態で、一言でいえば「痛みの処理プロセスが増幅されてしまった」状態です 。

火災報知器が、火が消えた後も鳴り続けているようなもの、とイメージしてください。

この状態になると、中枢神経は興奮性を高めたり、逆に痛みを抑える仕組み(下降性抑制経路)が機能不全に陥ったりします 。その結果、以下のような様々な臨床症状を引き起こす可能性があります

  • 痛みが広がる(広範な過敏症): 腰だけでなく、背中や肩など、関係のない場所まで痛む。
  • 痛みに過敏になる: 軽く触れられただけでも痛みを感じる(アロディニア)。
  • 感情や心理的な問題: 不安や気分の落ち込みを伴う。

CSは「遠くの筋肉」をも弱らせる

これまでの研究で、CSが「広範な痛み」を引き起こすことは知られていました 。しかし、「広範な“筋力低下”」も引き起こすのかどうかは、あまり分かっていませんでした

そこで、この研究は「中枢性感作(CS)の重症度」と「腰から離れた場所の筋肉のパフォーマンス」との関連性を調査しました

研究の方法

  • 60名の慢性腰痛(CLBP)患者さんが参加しました 。
  • 「2011年線維筋痛症(FM)調査基準」というCSの代理指標を使い、参加者を2つのグループに分けました 。
    1. FM陽性グループ(CSの程度が“高い”と推定される)
    2. FM陰性グループ(CSの程度が“低い”と推定される)
  • 腰から遠く離れた(Remote)筋肉のパフォーマンスを測定しました 。
    • 首の筋力(頸部屈筋群)
    • 首の筋持久力(頸部屈筋群)
    • 足首の筋力(足底屈筋群)

衝撃的な結果

CSの程度が高いグループと低いグループを比較したところ、驚くべき結果が出ました。

  • CSが高いグループ(FM陽性)は、低いグループ(FM陰性)に比べ、首の筋持久力(首を持ちこたえる力)が有意に悪かったのです 。
  • 同様に、CSが高いグループは、足首の筋力(ふくらはぎの力)も有意に弱くなっていました
  • さらに、CSの症状が重い人(FMスコアが高い人)ほど、首の筋力、首の持久力、足首の筋力のすべてが低下するという相関関係が認められました 。

この研究は、慢性腰痛(CLBP)の患者さんにおいて、中枢性感作(CS)の程度が、腰から遠く離れた場所の筋力低下と関連していることを示しました


なぜ腰痛が「首」や「足首」を弱らせるのか?

なぜ、腰の問題が、神経的にも離れている首や足首のパフォーマンスを低下させるのでしょうか?

研究者らは、そのメカニズムは脳の「運動皮質」の機能不全にある可能性を指摘しています

中枢性感作(CS)によって引き起こされる神経系の「過剰な興奮」や「抑制機能の低下」は、痛みを感じる領域だけでなく、動きをコントロールする脳の領域(運動皮質)にも広がると考えられています

その結果、脳からの運動指令がうまく伝わらなくなったり、感覚のフィードバックが混乱したりして 、全身の筋力や持久力が低下するのではないか、と結論づけています


福岡市の皆様へ:カイロプラクティックが神経系にアプローチする理由

この研究が私たちカイロプラクターにとって非常に重要である理由は、「慢性腰痛は、もはや腰だけの問題ではない」ということを科学的に裏付けているからです。

もしあなたが、

  • 腰痛の治療をしているのに、首や肩、足首など、他の場所にも不調や弱さを感じている
  • マッサージや湿布で一時的に良くなっても、すぐに痛みがぶり返す
  • 「気のせい」と言われるような、広範囲の痛みや不調に悩んでいる

のであれば、それは中枢神経系(CS)が関与しているサインかもしれません。

カイロプラクティックは、単に骨格の歪みを整えるだけではありません。その主な目的は、背骨へのアジャストメント(調整)を通じて、神経系の機能不全にアプローチし、その働きを正常化することにあります。

この研究は、「腰から離れた筋肉のパフォーマンス低下」が、中枢性感作(CS)の臨床的なサインである可能性を示唆しています

福岡市にある当院では、あなたの慢性腰痛の背景にある「神経系の過敏化(CS)」の可能性も視野に入れ、全身の神経機能のバランスを評価します。

腰だけをマッサージする対症療法ではなく、神経系の「根本原因」にアプローチすることで、あなたの体が本来持つ機能を取り戻すお手伝いをいたします。

福岡市で原因不明の慢性痛や全身の不調にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。